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タイトル
マーク 2012.07.27 line 有料老人ホーム(成功事例):利用者に寄り添った介護による認知症ケア

 

本人像:60代女性/要介護5 若年性アルツハイマー病



利用までの経緯 

入居していた他県の老人ホームでは面会に行っても生活場面を見せてもらえず、娘が母親の状況に不安を持って相談に来た。自宅介護はできないが、自宅近くで安心できて、少しでも介護に関われるような施設を希望し、当ホーム入居となる。ホームに来た当初は能面のように表情はなく、1日中徘徊していた。また、片側に体が傾いた体勢で歩行するため、疲れると不安定になり転倒の危険があった。



援助の方針と働きかけ 

 (1)異食行為や転倒に配慮した環境整備

入居当初から1日中徘徊しているので、常に職員が交代で付き添い、転倒に配慮しながら見守り重視で対応し、職員間で危険を回避できるような環境づくりを話し合った。徘徊の時は壁を手で擦りながら歩くため、廊下の展示物などは画鋲を使わず両面テープで貼り付けた。また、本人が触りそうなものはすべて収納して危険物を取り除いた。

さらに、居室内でも口に入れる可能性のある物は、家族と相談してできる限り撤去し、ベッドから立ち上がり転倒の危険もあるため、布団で寝てもらうようにした。このような環境整備により、本人の行動を制止することなく、なるべく自由に行動できるよう配慮した。


(2)言葉かけを心がけた介護

入居当初は表情がなく、言語コミュニケーションも困難であったため、本人と意思疎通を図りたいという家族や職員の思いから、常に言葉かけをすることで本人の感情に何らかの思いが届くような介護を心がけた。

例えば、徘徊に付き添うときにも窓から外が見えれば「今日は良いお天気ですね」などその時見えるものについて語りかけるように言葉をかけた。また、着脱介助の際も会話を通して本人の動きに合わせて介助を行った。徘徊の途中で休憩を取ってもらうよう誘導する際も、無理に休憩してもらうのではなく、本人の居室を通った時を見計らって「少し休憩しましょうか」と言って職員が横になり、一緒に添い寝をすることで安心して眠りに入ってもらった。職員は、すべてにおいてできる限り本人の意思に添い、ペースを乱さない介助を目指した。


(3)残存能力を生かした介護

以前のホームでは食事は全介助だったが、まずは本人が食事を前にしてどのような反応をするのかを見てみることにした。家族も食事はできないと聞いていたため、絶対無理だと思い込んでいたが、本人の前に食事を置き、箸とスプーンとフォークを並べて好きに食べてもらえる状態にした。すると自然に箸を手に取り、スムーズに口まで運びニコニコしておいしそうに上手に食事をした。その様子を遠くで見ていた家族は、本当に驚き、目に涙を浮かべて喜んだ。


(4)家族との連携

生活の様子を知りたいという家族の希望があったため、食事やおやつの時間面会に来て、一緒にお茶を飲んで過ごしたりした。ホームの行事を知らせるとできるだけ参加したり、そうした家族の関わりも本人にとって大きな安心感になったといえる。また、お正月の飾りつけなど異食行為が心配されるときも、例年通りの飾り付けを希望し、「見守りが必要な時はホームに行きます」と言って協力してくれた。



結果とまとめ

言葉かけを大切にして本人に寄り添った介護に努めたことで、当初はまったく表情のなかった利用者が、次第に職員の声かけに表情を見せ始め、うなずき、名前を呼ぶと返事してくれるようになった。また、静止することにストレスを持ちそれを歯ぎしりで訴えるなど、次第に意思表示も出てきた。機嫌の良いときには歌を歌い、安心して寛いで生活できるようになった。家族が訪問するととてもにこやかな表情で喜ぶようになり、家族もそんな様子にとても感動した。

できるだけ抑制せず自由に残存能力を生かして生活を送ってほしいという職員の願いや介護姿勢が、本人の生活に大きな成果となって表れた言える。また、見守りが必要であれば家族がホームに来て協力するなど、常に家族とも連携がとれており、そのことが本人にも良い影響を与えていると思われる。介護の質は、利用者の現在ある能力に対し、悪い影響をも良い影響をも与えることが可能であると言える。当初は介護が続けられるか大きな不安の中スタートしたが、家族の強い思いと、全職員の統一した介護姿勢が功を奏した。

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