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タイトル
マーク 2012.09.28 line 有料老人ホーム(成功事例):皮膚状態が悪化し、湿疹がひどい利用者のケア

本人像:80代女性/要介護5 パーキンソン症候群・四肢拘縮



利用までの経緯

子どもがなく夫婦2人暮らしで、同一敷地内に住む姪が2人の面倒を見ていたが、パーキンソン症候群の進行で日常生活が困難になり、姪が介護しきれず当ホーム入居となる。その後嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎で入院中、皮膚疾患である水泡性類天痘瘡になる。パーキンソン症候群の進行と四肢拘縮変形があるため、病院では寝たきり状態となり、さらに皮膚疾患が悪化する。特に背部・腹部の皮膚状態は酷く、尋常でない量の発汗があるため常に皮膚が汗で湿っており、自力で体位変換ができない状態で褥瘡の危険があった。退院しても在宅ではとても介護できない状態で、再度当ホーム入居となる。



援助の方針と働きかけ

(1)環境整備

寝汗は汗を吸いやすい布地の浴衣を着用してもらい、居室内温度を通常では少し寒いと感じる温度に設定して、温度・湿度の調整に配慮した。また、布団は上までかけず、胸の辺りまでに調整し、暑いときにはバスタオルに変えるなど、布団でも体温調節した。冬でも冷房をかけることもあり、通常より寒く感じる室温に調整し、できるだけ汗をかかないようにしてもらった。


(2)清拭

身体の清潔を保つために、入浴のない日にも介護職員と看護師が2人1組でベッド上での清拭と軟膏塗布・寝衣交換を毎日行い、それ以外にも発汗時にはその都度着替えをして皮膚の保清に努めた。

入浴や清拭では、身体を清潔にするとともに湿疹の状態を観察して皮膚の状態を看護師や医師へ報告し、また看護師や医師が定期的に観察することで、湿疹の状態にあった適切な対処ができるようにした。また、入浴・清拭を行いながら声かけし、コミュニケーションを心がけ、少しでも寛いで楽しく過ごせるように配慮した。


(3)体位変換

四肢拘縮がひどく手足が変形しているため、皮膚と皮膚が常に密着している状態である。そのため密着した部分に熱がこもり、皮膚が擦れるなど状態悪化に繋がるので、密着している部分や両脇にタオルを丸めて挟み込んで皮膚の密着を防ぎ、通気性をよくする工夫をした。職員と看護師でいろいろと試行錯誤してみたが、挟む場所により自在に幅や形を変えることができ、手軽に洗濯できるタオルが一番良いということになり、タオルを挟むことにした。また、体位変換は3時間おきに行い、通気性のいいエアーマットも使用して褥瘡予防に努めた。



家族の声

「病院でも床ずれの対応はしてくれていたが、湿疹などはいっこうに軽減せず、ホームでの回復にとてもびっくりしました。職員の方々のきめ細やかな介護のお陰でとても感謝しています。」



結果とまとめ

ひどかった湿疹は少しずつ軽減し、常に湿っていた皮膚も現在では乾燥傾向になり、とても綺麗になった。皮膚疾患の回復に向けて介護職員・看護師・医師が連携を組んで対策をとり、職員と看護師の日々のきめ細かな介護とケアにより、病院でもなかなか改善されなかった皮膚の状態が見違えるほど良くなった。また、皮膚の状態が改善したことで本人の精神的安定にもつながり、最近では気分も晴れて会話もできるようになり、毎日穏やかに過ごすことができている。汗をかくたびに着替えをしたり、3時間ごとに体位変換したりとたいへんな介護であるが、それとともに声かけなど精神面からもサポートし、個人の状態に合わせたケアを徹底できたことが、良い結果につながったと言える。

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