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タイトル
マーク 2012.10.19 line 有料老人ホーム(成功事例):緊急入居での不信感から生きることを楽しむ生活へ

本人像:80代女性/要介護4 糖尿病・手首骨折・大腿骨頚部骨折

 

利用までの経緯
若い頃から眼科医として地域に貢献していた。70歳を超えても仕事をしていたが、糖尿病があり視力障害で入院する。しかし夜間せん妄の症状が現れて退院を迫られ、当ホームに緊急入居した。本人の了解を得ないままの入居であったため、納得しておらず、入居後しばらくの間「騙された。家に帰るから家族に電話をしてくれ」と言い続け、「毒が入っている」と食事の拒否が続いた。


家族の意向
退院を迫られたが、息子は仕事、嫁は病弱で、家では看られず1人では置いておけない。預かってくれるところがなく、知り合いが紹介してくれたこちらでなんとかお願いしたい。家では好きな物を好きなだけ食べていたため、視力障害も出現し、治療のため入院したが改善されなかった。まずは血糖値のコントロールと生活スタイルの見直しをお願いしたい。


援助の方針と働きかけ
(1)不信感・介護拒否の解消から安心感へ
方向は不安定だが1日中歩き回り、「家に電話をしてくれ、帰りたい」と訴えた。なだめても聞かず、夜間も寝ず、1ヶ月間介護職員1人が常時見守り付き添った。日中はホールで横に付き添って座り話しを聞き、夜間は居室の外でいつでも対応できるよう見守り、眠れないときは添い寝をした。
介護拒否は、置かれた状況が受け入れられないための拒否であり、家族が決して見捨ててはいないこと、当ホームが安心できる場所であることを理解してもらうため、可能な限り家族との電話連絡を行い、ホームへの要望も一つ一つ実現できるよう対応した。
食事拒否については、おにぎりを作っていつでも食べられるようにテーブルに置いたり、職員がそばで一緒に食事をしたりした。
周囲の状況がわかるにつれて少しずつ精神面も安定し、自己選択自己決定を促していくことでADLが自立し、食事もしっかり摂れるようになった。転倒であちこち骨折し入院したが、以前のような混乱はなく、退院後はそれまでの生活が継続できた。


(2)糖尿病
血糖値は300を超え、インスリン注射を必要としていたが、ホームでの規則正しい生活と食事で生活が安定するにつれ血糖値が正常化、インスリンが不要となった。


(3)楽しみ
ホームの生活を楽しむようになり、散歩や、観葉植物を育てたり、絵を描いたりした。身だしなみが良くなり、もともと色白であったが、髪を整え、本人のお気に入りの洋服を着ると、80代ながら見とれるような美しさになった。新しいことにも興味を示し、点字図書館のテープライブラリーを薦めると、様々な分野の録音テープを取り寄せて聴き、内容を職員にも話してくれた。


結果とまとめ
入居時は、混乱が強く認知症と疑われたが、夜間せん妄からの症状だった。今いる場所が安全と実感できることで落ち着きを取り戻し、次第に生活を楽しむまでになった。住み慣れた家から今までと違う環境に放り出されたことによる混乱は当然と受け止め、安心できる環境を提供していくことが介護者に求められる。本事例では、利用者に安心と信頼のある生活をしてもらうとともに、楽しみのある生活をサポートできた。
入居前は、身辺のことを全部嫁にしてもらっていたが、ホームに入り自分自身で選択していく生活を送ることで、ほとんどのことが自分で出来るようになった。「意欲も、楽しみもない」と家族も心配していたが、ホームに入居し、散歩・ドライブ・デイサービスへのお出かけやそれに伴う新しい出会いが本人に刺激を与え、生活を楽しむようになった。ホームでの規則正しい食生活により、糖尿病が改善したとともにホームでの生活が「生きることを楽しむ」生活に変化した。

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