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マーク 2013.04.03 line 通所介護(成功事例):家族による介護の拒否からデイ利用でびっくり変身

本人像:70代 男性/要介護3 小脳梗塞 高血圧症


利用までの経緯

  妻・息子夫婦・孫の5人暮らし。夫婦で理髪店を営んでいたが、3年前に脳梗塞と診断され入院となる。病院嫌いで、帰宅願望が強く3日で退院するが、小脳梗塞による失調症のため、歩行などの日常生活がかなり不安定で、その他、言語障害、嚥下困難、尿失禁もあり、衣服の着脱にも介助が必要な状態であった。しかし、本人は気難しい性格で妻とも不仲のために、妻や家族の介護は拒否することが多かった。そのため、失禁があっても着替えもせずにそのままの状態で本人もその部屋もひどい尿臭であった。妻や家族の言うことは全然聞き入れず、入浴もできていない状態のため、家族がケアマネージャーに相談して通所サービスの導入となる。


援助の方針と働きかけ

 夫婦関係が不和で、妻や家族が入浴や着替えを促しても嫌がるなど頑固な利用者。妻は、まだ一人で理髪店を営んでいることもあり、夫の介護だけに時間をかけることもできず、素直に聞き入れてくれないことに困っていた。夫婦関係や家族関係を改善することはできないが、通所サービスの利用で入浴など身体の清潔を保持できるように支援する。また、通所利用により他者との交流の機会を作り気分転換を図れるように支援する。


清潔の保持への取り組み

 尿失禁が毎日のようにあり、家族が介助しても着替えさせようとしても拒否するため、いつも衣服や布団が尿でぬれた大変不潔な状態であった。そのうえ、入浴拒否で1年近く入浴していないため、部屋も本人もひどい尿臭で、デイ利用当初は送迎車も尿臭が充満してしまうような状態であった。気難しい方と伺っていたので、最初、デイでの入浴を素直に受け入れてくれないかと思われたが、「お風呂に入ると気分も良くなりみんなニコニコされていますよ」と優しく穏やかな話し方で入浴を促すことで想像よりもスムーズに入浴を受けいれてくれた。麻痺の影響で着替えは一部介助が必要であったが、できるところは自分でしてもらうよううまく声かけをしながら見守った。


 デイサービスに通って毎回入浴するようになり、顔の肌艶もとても良くなり、見違えるほど清潔になってきた様子に家族や近所の方も驚くほどであった。また、本人もデイサービスが気に入ったこともあり、最初週3回であったサービスを途中から週5回に増やして対応することになった。

  しかし、デイサービスで清潔になって帰宅しても、相変わらず尿でぬれた布団で寝て、自宅で失禁があっても着替えなかったため、デイサービスに来るときには不潔な状態になっていた。そういった状態が、送迎車や他の利用者への迷惑にもなり、改善に向けてスタッフとケアマネージャー、家族との間で改善策を協議して、通所サービス前に送り出しサービスを導入して、通所利用前にヘルパーが清拭や着替えを介助してきれいな状態にしてから通所へ送り出してもらうようにした。本人は、ヘルパーや通所職員には比較的従順に言うことを聞いてくれているので、送り出しサービスもスムーズに受け入れてもらえた。


結果とまとめ

  デイサービスに通ったことで定期的に入浴するようになり、清潔で快適な生活を保ちつつある。毎日入浴することで心身ともに気持ちよく生活できるようになると、以前は怒りっぽくてへそを曲げることもあったが、今ではすっかり穏やかに過ごすようになった。毎日の入浴が身体面での清潔保持だけではなく精神面に与える影響も大きいと思われる。入浴でくつろいだ気分になり、気持ちも穏やかになったことから通所利用は本人の生活に潤いを与え、また気の合う仲の良い友人ができたことでさらに生活が楽しいものになったと言える。

 他人が関わることで、夫婦関係や家族関係の状態修復まではできないが、介護される本人にとっては良い場合があり、この事例はそれに当たる。わがままで家族の介助も拒否するなどで家族も困っていたが、通所を利用することになってから本人の生活が改善し、友達や他者との交流の機会もできたことで、本人だけでなく家族にも大変喜んでもらえた事例である。

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