ハートケアグループ

アクセスのご案内サイトマップ
資料請求・お問合せはコチラから

事例集とヒヤリ・ハット

関連企業・関連ニュース・相互リンクなど
一覧に戻る
タイトル
マーク 2013.05.30 line 通所介護(成功事例):リハビリで市内巡回の公共バスへの自力乗車へ

本人像:60代女性、要介護2、脳梗塞、糖尿病


利用までの経緯

知的障害者の夫との二人暮らしで子供はいない。若いころから現在に至るまでには、経済面や環境面において大変な苦労をしている。50歳を過ぎてから脳梗塞や糖尿病などを患い、日常生活が困難な状態となり社会保障などの援助が必要な生活を送ることとなる。身体的にも自力での動作が難しい。ただ知的障害の夫は介護に協力的で夫と二人で支え合うことでなんとかがんばってきた。しかし、外へも出られず市役所へ行くことや通院なども困難となって、今以上に身体機能が低下することに不安を感じたため当通所施設を利用することになった。車いす生活であるが、夫にも障害があるため、入浴をまったくしていない状態であるので、身体保清も利用目的の1つとし、サービスの提供を実施する。


援助の方針と働きかけ

肥満症であり、体力がなく、また疾患による身体状況にも問題があったので、適度な運動が必要である。下肢筋力低下防止、安定歩行を保持するためにリハビリを行う。体臭が強いために他の利用者が敬遠してコミュニケーションがとりにくいので、身体の清潔を保つために入浴を実施する。そして、コミュニケーションが図れる場を設定し提供していく。


リハビリ

下肢筋力をつけ、安定歩行を得るためのリハビリを開始した。スリングセラピーによってバランス感覚と持久力を養い、パワーリハビリによって筋力をつけて姿勢を正す。また、マット運動によって柔軟性を高める。無理のないプログラムで適度な運動を継続して行えるように配慮して実施した。

利用から約8カ月後、下肢が安定し短距離歩行が可能となったため、車いすから手押し車に変更した。それから、約半年後、手押し車から一本杖歩行が可能となった。

歩行運動を増やす必要があるため、送迎場所を自宅から40m離れた場所にし、雨の日以外は送迎スタッフが付き添って自宅から40m往復で歩いてもらった。

身体保清

長期間の入浴ができておらず、体臭が強いため、身体の清潔を保つ必要があり、週2回の入浴を実施した。本人は入浴拒否の傾向もあったが、「今すいているよ」や「温泉わいているよ」など声かけをしながら、一人で入浴してもらえるよう誘導した。


結果とまとめ

適度なリハビリを継続して行うことにより、下肢筋力やバランス機能が向上し、外出時でも杖歩行が可能となった。左下肢の痺れはあるものの、室内(平坦な床)であれば、杖なしでの歩行が可能になった。市内を走る市公共バス「ぐるりん号」には、以前は運転手に車いすのまま車内へ上げてもらっていたが、現在は杖歩行にて自力で乗り降りできるようになった。バスの運転手も笑顔で迎えてくれるそうである。

適度なリハビリを継続して行うことによって、身体機能が向上し、自力で行えることが増えた。そして、IADL(手段的日常生活動作)が円滑に行え、QOL(生活の質)の向上に繋がった。身体機能が向上したことで精神面や活動性が向上し、市役所への訪問や通院などが容易に行えるようになったことで安心した暮らしにつながったと思われる。


一覧に戻る
space
このページの上部に戻る