~高齢者がしっかり食べられる食事の取り組み①~

この記事をご覧の皆様、こんにちは!

 

これまで当社の色んな施設を飛び回ってきた私ですが、

今日はちょっとひと休み。ご飯を食べてゆっくり過ごすことにします。

 

 

お腹いっぱいで幸せ~♪

これでまた羽ばたいて当社の新しい情報を皆様にお届けできます!

 

こうやって色々なことができるのもご飯をちゃんと食べているからですね。

「食べる」ことは元気の源。

食事は体力をつけたり、病気の予防をしたり、味を楽しんだり、生きることに欠かせません。

健康の基礎ですね。

 

しかし、飲み込んだり、噛んだりする『食べる力』は年齢とともに低下していきます。

今回は『食べる力』の低下と当社の食事の取り組みをお伝えしたいと思います。

 

~『食べる力』って?~

皆さん「食べる」とき、どのように食事をとっていますか?

 

いきなりこんなことを聞かれても、普段それほど意識せずに行っているので、答えにくい方も多いのではないでしょうか?

 

「食べる」とき、椅子などに座り、おはしやスプーンを使って料理を口に入れ、噛んだ後飲み込み、食べ物が食道を通り、胃へと運ばれていきます。

こうやってみると、食べるとひと口に言っても、意外と色々な動作が絡んでいますよね。

 

食べ物や唾液を飲み込み胃へ運ぶまでの一連の動作を嚥下(えんげ)といい、嚥下の機能は年をとるにつれて低下していきます。年齢だけでなく、高齢の方の場合、大きな手術後や病気によって急激に機能が失われることもあります。

 

 

では、嚥下機能が低下すると、どんなことが起こるのでしょうか?

 

~『食べる力』が衰えることで起こること~

嚥下機能が低下すると、飲み込みや噛むことに時間がかかり、食事をすること自体に疲れてしまって食べきることができない、それによって栄養不足に陥って体調不良やメンタルの落ち込みを引き起こす場合もあります。

よく噛むことができていないと食べ物が消化されにくくなり、お腹の調子が悪くなったり、食べ物が口に残ってしまうと虫歯などになり、口の中の状態も悪くなってしまいます。

また、食べ物や唾液が食道ではなく、誤って気管の方に入る「誤嚥(ごえん)」を起こし、肺炎(誤嚥性肺炎)を起こすことも…。

さらに、高齢者の場合、食べてすぐに横になったときなどに胃酸が食道へ逆流して誤嚥が起こることがあり、食べている時だけでなく、食べ終わった後も注意が必要です。

 

加齢以外にも、機能の低下には様々な要因があります。

がんなどの病気により飲み込みにくい、

精神状態が良くなく食欲が湧かない、

口腔ケアが十分でない、

体力低下し、飲み込む筋力が落ちている、

神経の衰えにより飲み込みの反射が遅れてしまう、

呼吸や心機能の低下により、タイミングよく食道の入り口が開かないなど…。

 

このように、食事は生きるのに必要なことでありながら、高齢者にとって食事は常に気をつけなければいけないことも多くあります。

嚥下の動作には喉だけでなく、内臓的な機能や精神面・食事環境などの多くの要素が重なり合っており、嚥下の機能の維持や誤嚥の防止には、喉の機能だけでなく、体力、神経、筋力、精神など全身の状態がよいことが大切なのです。

そして、食べ物を変えたり、体の機能を高めたり、その人に合った予防策を行うことも大切です。

 

~高齢者の誰もが美味しく安全な食事を~

『「食べる」力を維持し、誰もが美味しく安全に食事を楽しめるようにしたい』

そんな思いから、当社のケアホーム(有料老人ホーム)では、ご入居者の皆様が食事を美味しく、安全に食べられるように、誤嚥(ごえん)・脱水防止委員会を組織し、各ケアホームの職員や言語聴覚士、歯科衛生士の職員が集まり、ご入居者が食事をされている動画を見ながら食事状況の確認をしたり、食事に関して困っておられるご利用者の改善策を話し合ったり、日々取り組んでいます。

特に、新しくケアホームにご入居された方や退院してケアホームに戻られた方に対しては、その方の食事の場面で困りごとがないか、気を付けていくべきことがないか、口の機能だけでなく、食事形態・姿勢・口の動き・使用している食器など多方面から確認しています。

このようにご入居者おひとりおひとり細かく食事の状況を確認しているのは、高齢者にとって、食事が生きることに必要不可欠であり、楽しみでもあると考えているからです。

歯が痛い…うまく噛めない…など、少しでも食事に関して気になることがあると、心から楽しめませんよね。そんな悩みを少しでも取り除き、「美味しい食事」を楽しんでいただくために食事評価以外にも様々な取り組みを行っています。

次回は、当社の事例を交えながら、誤嚥・脱水防止委員会の取り組みやケアホームのご入居者の食事改善にどのように取り組んでいるかご紹介したいと思います。