前回は認知症、またはその予防に効果的な心理療法のひとつ、『回想法』について紹介しました。

 

前回の記事はこちら!

 

今回は、当社デイサービス「デイセンターリハビリプラザなでしこ」での回想法の取り組みについて紹介したいと思います。

 

 

心理療法というと専門家でないとできないような難しいもののように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。回想法は少し気を付けるべきことはあっても誰でもいつでも楽しく取り組める認知症予防のひとつです。

 

リハビリプラザなでしこでは、実際どのように行っているか紹介したいと思います。

 

リハビリプラザなでしこでは10人くらいのグループで回想法を行っています。

懐かしい生活雑貨や出来事・流行った歌などを題材にして、写真を見ながら語り合います。

 

今回のテーマは懐かしい生活雑貨「洗濯板と木桶」。

昔の生活や家族との思い出を話していきます。

 

他にも黒電話、炭アイロンなどの生活用品だけでなく、歌(東京ブギウギなど)、1964年の東京オリンピックなど、当時の文化やイベントについてもテーマにすることがあるそうです。

 

 

洗濯板と木桶の写真を見て、皆さん「これ家にあったわ!」と昔の生活を懐かしんでいました。

ご利用者のAさんのお話では、

「洗濯板を使っていたのは子どもの頃で、お手伝いで洗濯していた」

職員が冬は水が冷たくなかったのかと尋ねると

「井戸の水はそこまで冷たくないから大丈夫だった」

と子どもの頃のことを語ってくださいました。

 

生活雑貨をテーマにした回想法では、スタッフが知らない昔の道具の使い方などを質問すると、当時のことを思い返して色々と教えてくださるそうです。

 

もう1つのテーマ「東京オリンピック」についての話題では、

「オリンピックの記念硬貨を持っていたよ!」

「その硬貨を買うために郵便局で長い列に並んだなぁ」

「カラーテレビでオリンピックを見た」

「オリンピックのためにテレビを買った!」

と、話しているうちに当時のわくわくした気持ちが蘇り、どの方も本当に楽しそうに話されていました。

 

 

東京オリンピックのテーマではご利用者同士お話が弾んでおられましたが、お話の最初の切り出しなど、

 

『まだどのように話せばいいかわからない…』

 

という時は、職員から切り出したり、質問を投げかけたり、お話するサポートをしていました♪

 

『耳が聞こえにくくて…』

 

という方も、近くに職員がつき、耳元で話を伝えてくれます。

 

職員の質問に対してご利用者から色んな回答が出てきたときは、皆さんに共有しながらテーマに沿うように話を進めたり、お互いの顔が見えるように机を囲んだ配置にしたり、話しやすいよう色々なサポートがあります。

 

リハビリプラザなでしこでは、必要なところは職員がサポートしますが、基本的には皆で昔を懐かしみながら楽しく思い出話に花を咲かせています♪

回想法は心理療法の一種ですが、このように楽しく気軽に取り組めるものです。

 

話しているうちに「そういえば今まで忘れていたけど、こんなことがあったなぁ」と思い出したり、お話が少し苦手な方でも人の話を聞いて思い出したり、他の方のエピソードを楽しんだり……

お話をしてもしなくても、何か思い出すきっかけになることもありますので、ぜひ、友人や家族の方と昔話をしたり、昔のことを尋ねてみたりしてみてくださいね。

 

ハートケアグループデイサービスのホームページはこちら

デイセンターリハビリプラザなでしこ(三重県松阪市)のページはこちら