~高齢者がしっかり食べられる食事の取り組み②~

 

私たちにとっては何気ない生活の一部でも、高齢者にとっては誤嚥(ごえん)など、気を付けるべきことがたくさんある食事シーン。

 

日々の楽しみでもある食事をより安心して楽しんでいただくために、当社の独自の取り組みについて前回簡単にご紹介しました。今回はより詳しく紹介するために、誤嚥・脱水防止委員会について、私、ハートちゃんが委員会の藤澤さんに話を聞いてみました!

 

前回の記事はこちらから!

 

 

 

ハートちゃん(以下「ハ:」)

「こんにちは!今日は誤嚥・脱水防止委員会について教えてください!」

 

藤澤(以下「藤:」)

「こんにちは、ハートちゃん。今日はよろしくね」

 

 

ハ:「さっそくですが、誤嚥・脱水防止委員会はどんな委員会なんですか?」

 

藤:「一言でいうと、ご利用者が食事の楽しみを持ちながらしっかりと食事ができるように様々な取り組みをするための委員会です。

実際、どのように取り組んでいるかというと、各ケアホームの職員や言語聴覚士、歯科衛生士の職員が集まり、ご入居者が食事をされている動画を見ながら食事状況の確認をしたり、食事に関して困っておられるご利用者の改善策を話し合っています」

 

↑『私も藤澤さんと一緒に誤嚥・脱水防止委員会のウェブ会議に……』

 

 

ハ:「誤嚥や脱水に気を付けるだけじゃなく、食事全般について日々話し合っているんですね!」

 

藤:「そうです。食事をするとひと口にいっても、食べるものだけでなく、食べ方、口の中の状態、既往歴、ご利用者のメンタル、食べる時の姿勢など様々なことが関わっているので、食事以外での姿勢や口の動かし方など、普段の様子も踏まえながらご利用者の食事状況を把握しています」

 

ハ:「この委員会ができたきっかけはなんですか?」

 

藤:「高齢者の誤嚥・脱水がとても多く、対策を立てていこうと2019年に誤嚥・脱水防止委員会の前身となる委員会ができました。翌年には、食事だけでなく、おやつについてもその方の好みや食べやすさを検討し、食事を安心で美味しいものにできないかと「おやつプロジェクト」も始まりました。

そうした中で、前身の委員会とおやつプロジェクトの検討課題が共通していることから統合、変更され、今の「誤嚥・脱水防止委員会」ができました」

 

ハ:「おやつのことまで含まれているんですね!私も甘いおやつは大好きなので、おやつも食事もおいしく食べられるような取り組みは安心ですね」

 

藤:「実はおやつも大事な食事の一部なんです!食べることは栄養を取るという意味合い以外にも生きる楽しみという面があります。

この委員会では、「生きる楽しみ」の部分を大切に、食事の改善案の理由や説明を明確にすることはもちろんのこと、食事の改善案がご入居者、ご家族にとって望むものであるか?を考えることをモットーにしています」

 

 

 

 

 

ハ:「委員会のことはわかりましたが、実際、食事がしにくい方にはどのようなアプローチをしているのでしょうか?」

 

 

藤:「誤嚥・脱水防止委員会では、机や椅子、食器などの『周りの環境』、口の動かし方や入れ歯の使用などの『口腔環境』、主にこの2つの点に主眼を置き、改善に取り組んでいます。まずは『周りの環境』について、例えばどのように取り組んでいるかというと……」

 

 

麻痺や関節のこわばりがあって食器が使いにくい方には…

持ちやすい食器や、握りやすいスプーンやお箸などの自助具を導入しています。

↑中央の茶色の器は、しっかりと縁がついており、スプーンですくいあげやすいようになっています。

 

↑通常の金属のスプーンだと柄が細いため、グリップを付けて持ちやすくしています。

 

食事の姿勢が悪い方には…

椅子に座って姿勢が保てるように背中やお腹などにクッションなどを挟んだり、置いたりして補助をしています。

 

机やいすが体格にあっておらず食べにくい方には…

高さが幅広く調節でき、車いすでも十分机に近づけるデザインのサイドテーブルを導入し、どのような体型の方でも合わせられる環境に。また、机が高すぎるとテーブルの食事がご入居者の方から見えず、顎も上がってしまい誤嚥のリスクが高くなるため、机といすの高さを見直しました。

↑椅子に座ったときにしっかりと足を床につけて食事ができるように足置き台も設置しています。

 

 

藤:「このように、使用する食器や使用する椅子、その配置ひとつとっても、少しの工夫や調節で食事の姿勢や食べやすさが大きく変わることがあります。会議の中で疾患や既往歴などを踏まえながら、姿勢などについては療法士を中心に改善案を考えています。」

 

ハ:「自分にあった食事環境にすることが大事なんですね」

 

藤:「食事に関しては、よくパタカラ体操といって喉や口の動きを鍛える体操をしたり、食べ物をよく噛むように気をつけたり、ご本人の努力で補う部分も小さくはないのですが、環境を整えるのは私たちでできることなので、最大限サポートしていきたいところです」

 

 

 

もう少しお話を聞きたいところですが、今回はここまで…。

次回は委員会が取り組んでいる『口腔環境』の改善について藤澤さんに引き続きインタビューしていきたいと思います。どうぞ続きもお楽しみに~♪

 

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