以前『ハートちゃんが行く♪その100』で、壁画アートクラブの素晴らしいちぎり絵の壁画、その名も『リハプラ将軍』をご紹介したのですが、覚えておられますか?こちらの壁画です!
その時に「次回作をまたご紹介します」と皆様にお約束しましたので、有言実行、今回は次の作品『義経と弁慶』をご紹介したいと思います!
良い作品を作るためには、しっかりとした下絵から。今回もリハビリプラザ羽曳野の営業所長が下絵を描いていき、躍動感あふれる義経と弁慶の絵ができ上がりました。営業所長によると、リハプラ将軍の人物画に続いて、今回のテーマは皆が知っている『義経と弁慶』にしようと思い、原案画をご利用者に見せたところ、「難しそう」との声が。しかしそれと同時に「どこから作る?」「早く土台作ってみよ」「いつ完成目指すの」と意欲的な声もたくさんあがり、皆さん早くとりかかりたくてウズウズされていたそうです。
そしていざ作品制作にとりかかると、
「土台の時は何が何かわからなかったけど、だんだんと貼ってきたらわかるようになったわ」
「なるほど、綺麗にいけたやん」
「ここ、色間違ったけど、上から貼りなおしたらええよね」
「細かいなあ~、今までの中でも一番細かいわ」
と、制作メンバー皆で和気藹々とお喋りしつつ、時には失敗しながら試行錯誤し、楽しく取り組まれていました。
今回作るのが難しかったところは、弁慶の法衣(僧兵の服装)、義経(牛若丸)の着物と鎧の表現だそうです。しかし作るのが難しいということは、同時に工夫のしがいのある箇所でもあります。弁慶の法衣は白と黒が基本ですが、白と黒一色にはせず頭部の白い五条袈裟、黒い素絹の衣の折り返しやひだの表現、弁慶の腹巻の鎧、義経の鎧の細かな編み込みの鮮やかな色や、着物の風の流れの表現は特に工夫しました。「ここは何色?ここは何で作る?着物の裏地は色変える?」とご利用者同士アイデアを出し合いながら仕上げていきました。
最後に弁慶の薙刀を作って弁慶に持たせると「かっこええやん」「ええやんええやん」と皆さん大満足。「うう、斬られたぁ~」と大阪らしいノリを発揮する方もおられました。
完成した作品を見て、
「できたねえ、きれいやわ」
「あそこの袴の模様のとこ私がした」
「橋の茶色もいいね」
「携帯で撮って娘に見せる。今までのも全部見せてるねん。クオリティ高いねっていつも感心してるの」
と、皆さん誇らしげで、嬉しそうにお話しされています。
営業所長に話を聞いてみると、「皆様の根気の良さには本当に感心します。そして完成のイメージは最初に創作しますが、ななめ上をいく出来栄えに毎回驚かされます。」と話してくれました。ご利用者の発想力と工夫、そして作品への情熱で、さらに素晴らしい作品へと進化していくのですね。
そしてなんと!私がのんびりと『義経と弁慶』の制作過程を取材している間に、もうその次の作品が完成したようですよ!タイトルは『桜と花魁』です。
『義経と弁慶』の完成後すぐに、早くもご利用者から「次は何作るの?」との質問があがり、「次は花見と花魁」ということで制作を始めたそうです。桜の花びらの細かさやピンクのグラデーション、花魁の着物の重なりの表現、この作品も美しく幻想的で素敵な作品です。
どんどん作品のクオリティも制作速度も上がっていき、今後どんな作品が作られていくのか、これからの壁画アートクラブの進化が楽しみです。